元人材業界「中の人」が語る派遣・就職・転職バナシ

人材・派遣・転職について、仕事や転職が上手くいかない方に向けて語っています。

人材業界のやりがいvsやり切れないところ

私はこれまで求人広告営業、人材派遣コーディネーター、自らが派遣社員となる、人材紹介会社の事務・・・と細く長く人材業界にいます。人材業界のやりがいは、やはり求職者や人を探している企業から「ありがとう」「**さんのおかげです」と言ってもらえる点です。求職者の職場が決まるか決まらないか、いい職場かそうでないか。それは求職者の人生までも変えてしまうのですから。もう会えない人であっても、「あの人の人生の1ページに自分がいるかもしれない」「あの人の人生を変えたのは私かも」と思うと感無量です。責任重大な仕事でもありますが。

 

やりきれないところは、そんな「人」が命の仕事なのに、人を介して売り上げを立てなければいけない点です。求職者の内定が決まって初めて我々は手数料を企業側からもらうことができます。数字のために求職者をその企業に行ってもらえるよう口説きおとすこともしなければいけません。そういう意味では人情味が在り過ぎる人、慈悲深い人は滅入ってしまうことも多々あります。

 

例えば小売り業なら、売り上げを作るために自分で商品を買うことができます。でも人材業界は「人」在りきですので「人」がいなければ見込みすら作ることができないのです。(それゆえ、「自分が数字を作れないのは会社の集客力がないからだ」と言う人もいますが)

大企業なら集客力があるので人材は豊富ですが、中小企業やベンチャーともなると仕事したくても紹介する人、派遣する人がいないという状態になることもあります。いかに人を集めてその人々の仕事先を漏らすことなく決めていくかが成功のカギになります。数字が上がらない月が続くと会社からのプレッシャーも強くなっていきます。

 

「人と人をつなぐ仕事」「人のためになる仕事」。やりがいも十分ある一方で、うまく割り切れないとこの仕事はつらくなってしまうかもしれません。どの仕事でもやりがいがある反面、難点もあると思うので「この仕事だけ」というわけではないと思います。でもあまり、こういう話はおおっぴらにはされず業界内の人間だけがひっそりと想っていることなので、今回は綴ってみました。もちろん業界全員がこの意見、というわけではないです。