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仕事に嫌気がさしたら日本脱出?!世界一幸せなデンマークの労働事情


なぜいきなりデンマークの労働事情なのか、
というと先日、
「幸せってなんだっけ?世界一幸福な国での
 Hygge(ヒュッゲ)な1年」
を読んだからです。

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「ヒュッゲ」とは、
【ほっこり、心安らぐひととき】
という意味だそうです。

内容はというと、著者である
英国版「マリ・クレール」誌ライフスタイル
担当編集者の夫が転職。その転職先が
レゴの本社でもあるデンマークだったことから
移住先で幸福度調査を体当たりで行う、
というもの。

 

有名雑誌編集者だけに、文章が軽やか!
外国人特有のタッチもありますが、
7割エッセイ風、残り3割はデータ列挙し
真面目に書かれている印象がありました。

 


◆労働者としてデンマーク人は世界一幸せ!?
さて、なぜ仕事がイヤになったらデンマークなのか?
を具体的に紐解いていってみようと思います。
まず、

OECDによればデンマークワークライフバランス
の良さでトップに立つ国となっている」


のだそうです!

公的にはデンマークの1週間の労働時間は37時間
でヨーロッパで一番の短さ。(しかも実際のところは
週34時間労働とのこと)
※週5勤務なら6~7時間勤務程度

さらに年間5週間の休暇をとることができ、
公休も13日!

デンマーク人はEU内でももっとも幸せな労働者
であり、労働者として世界一幸福という調査結果
もあるそうです。

ウォーリック大学の調査によると、
人はポジティブな状態だと生産性が12%
上がるというのですから、日本もデンマーク

真似てもっと仕事を面白がらないといけないな、
とすら読んでいて思い始めます。


作中でも、著者の夫が夕方ごろには
帰ってきたり、産休・育休を取得してくれる
様子が綴られています。

そもそもなぜそんなにワークライフバランス
整っているのかというと、第二次世界対戦後、
都市部で労働者が減少したため、政府が海外から
労働者を呼び寄せ、全ての女性に対して
9時から17字までフルタイム働くように
推奨する史上初の試みを行い、
その結果、1960~1990年にデンマーク
労働力は100万人増加したのだそうです!



日本もこれを見習えるかというと難しいかも
しれませんが、これを思い切ってやってしまえる
デンマークに圧巻です!

そんなデンマークのため、働く女性も多いですが
育児制度もしっかりしていて、
子どもが3歳未満で保育所に預けることができ、
費用は国が75%負担してくれるとのこと。

そのほか、

社会保障が充実している
・医療費、大学までの教育費が無料
失業しても2年間は給料の80%を受給できる
・最も貧富の差が少ない国である
・7月はほとんどの人が休暇をとるため
 国全体が休業状態


とされている。
このようにじわじわと「デンマークっていいな」
と思わせてくれる一冊なのです。

ただ、しっかりデメリットも明記してくれて
いました。

EUのなかでもっとも生活費が高い
・税金が高い!
・冬はとにかく寒い。日照時間の少なさから
 犬でさえ鬱になる

などなど…。
デンマークに移住、という夢見がちな心を
ハッとさせてくれる現実的な内容もありますが、
気付かされるのは

働き方は国によって違う


ということです。
日本での働き方が自分に合っていないと
思うなら、(選択を得られるように
なるまでが大変かもしれませんが)
「外国で働く」をチョイスしてみるのも
いいかもしれませんね。

自分の幸せは日本にはない、
という場合だってあるかもしれない

そんな大いなる可能性を感じさせて
くれる一冊です。

 

 

 

ヘレン・ラッセル 著 
鳴海深雪 訳

  • 書籍:¥1,850(税別)
  • 電子書籍:¥1,480(税別)
  • 四六判・並製/400ページ
  • ISBN978-4-484-17102-9
  • 2017.3発行
 
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【追伸】
祝100記事!
読んでくれる方がいたからこそ…。
いつもありがとうございます☆