元人材業界「中の人」が語る派遣・就職・転職バナシ

人材・派遣・転職について、仕事や転職が上手くいかない方に向けて語っています。

「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」を見て感じた、地方出身者が都会で働く際の注意点

私はこれまでも音や練のように地方から東京に出てきて仕事をはじめる人をみてきましたし、仕事を通してサポートもしてきました。このような人々には2つのタイプがいると感じています。

(1)音のように(さまざまな事情は個々にあると思いますが)「とりあえず」「まずは」東京に出てきた
(2)練の後輩、※小夏のように「やりたいこと」を明確にして東京に出てくる
 (※1話ラストの方で練と再会していた女性です)

やりたいことが明確な人の場合は、東京に出てくる前にしっかりと計画をたてたり、事前に必要な情報を調べてからくる人が多いです。ある程度の貯金を蓄えてからくるため、「本当にやりたいこと」に対しての妥協を惜しみません。

対して、音のように地元を飛び出してきたような人は「早急にお金が欲しい」「住むところがない」などの理由から、住み込みの仕事や高額時給の仕事に飛びついてしまうことが多いのです。そのような仕事は、社会保険に入れなかったりブラックバイトやブラック企業の割合もけっして少なくないため注意が必要です。(練の引越し屋さんも、どうやら練に対してはブラックな一面をみせていますよね)


音のようなタイプは、当初は「東京に来れれば何でもいい」と思っていたものの、ズルズルと「やりたい仕事」ではなく「生活のためにやらなければならない仕事」 に身をうずめてしまうことがあります。もちろん、東京に慣れながらやりたいことを探す、でもいいですが、東京出身の人間でもしっかり調べたり人生経験がないと、「いい会社」「いい仕事」「やりたい仕事」に出会うことはできません。

 

では地方出身者は高時給の「割のいい仕事」に出会うためにはどうしたらよいでしょうか?個人的には、都会デビューの際にはまず“派遣”がよいのではないかと思います。何かトラブルがあれば派遣担当者に相談できますし、例えば音のようにクリーニング屋さんの経験しかなくても事務の仕事にありつける可能性は、自力で仕事を探すよりも非常に高いです。(元・派遣コーディネーターとしては、音は人柄のよさで仕事がもらえると思っていますw)

「別に音はやりたい仕事があって都会に出てきたわけじゃない。北海道から逃げられればどこでもいいのだ」とう意見もあるかもしれません。でも1話ラストのあの表情を見ると、現状に満足しているとは思えなかったのは私だけでしょうか。派遣会社によっては、研修制度が充実している企業もあります。PC研修や接客研修をはじめ、さまざまな研修が登録スタッフなら無料で受けることができるのです。「とりあえず」派遣で働きながら、PCスキルを磨いてキャリアアップも可能です。

派遣会社としては、スキルのある人材も欲していますが同時にまっさらな未スキル(だけど性格のいい)人材も欲しています。派遣先の指示に従順に働いてくれるからです。人材側としても、それを逆手にとって賢く都会を生き抜いていくツールとして利用することはけっして悪いことではありません。


音、練が都会色にどう染まっていくのか楽しみです。そして2人の恋の行方も・・・。